こんにちは、ブラック企業出身者のずみほと言います。
研修内容の記事にも出てきた
「学力試験」

この厄介な制度は研修に留まることなく、本配属後も社員達を苦しめたのです。
学力試験
研修時は毎日実施されていましたが、本配属後は月に1度の実施でした。
しかし、期間が長い分範囲も広く日頃からの勉強時間を要します。
私立文系ギリFラン大学食い込むか食い込まないかくらいの大学に受かる程度の受験勉強しかしてこなかった私は
この学力試験によって人生で一番勉強をさせられたしたと言っても過言では無いでしょう。
合格点は100点満点中80点という所は研修時と変わりません。
研修の際は、不合格時に昼食抜きの再試でしたが
本配属後、不合格だった場合は始末書と罰金が科されます。
この制度のせいで私は新卒1年目で約20枚もの始末書を書きあげています。
しかも、この始末書は所定時間内に書く事を禁止されていたので実質サービス労働。
罰金制度に関しては、1科目不合格毎に500円上司に支払っていました。
せめて給料から天引きにすればいいものを、直接払いの為
罰金を払いに行く為だけに出社予定の校舎から30キロ近く離れた上司の校舎まで高速道路で飛ばしていたので
実質罰金より交通費の方がかさむ悪循環。
交通費の支給を頼む同期も居ましたが、「学力試験に落ちるレベルの社員に支払う交通費は無い」と一蹴されていました。
ようやく罰金の支払いが済んだと思ったら叱責を受け、モチベーションはだだ下がり。
しかし、満点を取ったとしても「満点を取ることが当たり前」という風潮なので
特に評価が上がることはなかったそうです。
ムチとアメどころかムチしかない。
始めての学力試験
本配属後始めての学力試験の日
勤務時間は原則として学力試験は行ってはいけないという規則があったので
普段より早出しての受験です。(普段の早出具合はこちらの記事を見ていただければわかると思います)
新卒は英語・数学の両方を1年間合格し続ける事で学力試験が免除になる仕組みだったので
私は英語から受験することにしました。
難度としては英検準二級から二級程度でしたが
何せ合格水準8割は日頃から勉強してない人間からしたらキツい。
※ちなみに、英検二級の合格点は6~7割と言われています。
多少は勉強しましたが、初回は78点で不合格。
英検だったら合格してたのに・・・!
とかそんな言い訳を聞いてくれる優しい同僚は誰も居らず
淡々と罰金の支払期日と本日中の始末書を命じられました。
始末書のテンプレート
何も知らない私は始末書の書き方一つわかりませんでした。
とりあえず指示を出してきた上司に聞いてみます。
私「始末書のテンプレートとかあれば教えてもらいたいのですが」
上司「あなたは本当に常識がない。そんな愚かな質問を上司にするようだから学力試験も落ちる。」
「愚か」という単語を日常生活で使ってる日本人始めて見た。
というか
わからないことがあったら聞いてくれと常日頃から言っているのは上司なので聞いたのですが。
何だか隠しトラップに嵌められてしまった気分で腑に落ちなかったのですが
本日中に何とか書き上げねばならないということで
必死の抵抗、近くに居た先輩に質問するも
先輩「ごめんね~、私学力試験毎回合格してて始末書書いたことないから知らないの~」
運が悪いことに聞いた相手は旧帝大卒のエリート教師
聞いた私がアホやった・・・
先輩「ただ、上司のフォルダに格納されてるかもしれないから探してみようか。」
先輩、めっちゃいい人だった。
私「それって過去に書いた人達の始末書が保管されてるってことなんですよね・・・?」
自分の書いた始末書の行く末を知ってしまうようで緊張が走ります。
先輩「いや?上司も昔始末書バシバシ書かされてたからそれが残ってるかなと思って。」
上司、お前もか。
結局上司の書いたテンプレートを使用して始末書を書き上げましたが
共用フォルダに自分が書いた始末書を残しておく上司もこの会社も大丈夫なのかなと一抹の不安、いや、百抹くらいの不安が残りました。
罰金の使い道:名探偵同期が気付いてしまった
始めての学力試験が終わり
始末書と罰金の支払いにも慣れてきた夏のある日。
同期の数人と仕事終わり深夜のファミレスにてこんな話題になりました。
同期1「私たちが毎月さんざん払わされてる罰金、あのお金ってどこに消えてるんだろうね?」
ついに気が付いてしまった。
疑問に思うことがない程忙しく生活してきた私たちに、「慣れ」という時の流れが考えさせてしまったのです。
思えば不自然な点は幾つもありました。
- 何故か上司の校舎に支払いに行くルール
- 数ヵ月に一度、役職者でも落ちるレベルの問題が出題される、均一でない難度の問題
- 給料天引きでない罰金制度そのもの
そこで、今まで学力試験に落ちたことのない阪大出身同期が口火を切りました。
阪大同期「あのお金の行方、実は知ってるんだよね。」
なんやて工藤
阪大同期「私は合格が続いているから特別にって教えてもらったんやけど、他の人には言わないでもらえる?」
私「気になる!誰にも言わんから教えて!」
と、言いつつこの場で全世界に発信しているのは快感ですね。
同期1「私も言わんから!」
阪大同期「言わんといてや、あのお金実は
社長の接待に使われとるらしい」
社長の接待
社長の接待
社長の接待
あまりの衝撃に脳裏で三回くらい過ってしまいました。
私達、杜甫もびっくりの絶句状態
具体的には、社長のゴルフコース周回や本社に訪れた際のお茶代として使われているらしいです。
阪大同期「だから、定期的に問題が難しくなるのは、社長がゴルフの予定入れたタイミングと重なってるからそれなんじゃないかと踏んでる」
流石は旧帝大卒、学力も良ければ勘も鋭い。
メリッサの花で有名な某漫画の登場人物なら同期は勘のいいガキが嫌いな例のあの人に粛清されていたでしょう。
以上、
ブラック企業の搾取の仕方の一例です。
恐怖で社員の賃金とやる気を搾取する企業は日本から無くなってほしいと切に願います。