こんにちは、ブラック企業卒業生のずみほです。
新卒の頃はサービス残業月間100時間越えり労働環境で塾の先生をしていました。
前回まで、死に物狂い、むしろ実際に死ぬかと思いながら働いていた話を綴ってきました。

今回は、塾講師の頃に手に入れた社会人にも役立つ知識を公開します。
自分の日本語に自信はありますか?
はっきり言って、「自分の日本語力に自信があります!」という大人は少ないでしょう。
義務教育でも習うのは文法よりも読解力が問われる物が中心です。
「作者の気持ちは次のうちどれですか?」
なんて質問は読解力を問う問題の典型例です。定期テストで私達は何度この文言を見たことでしょう。
学校教育で文法を重点的に教わらないのですから、不思議な日本語を書く大人も数多く居るわけです。
むしろ、英語の方が文法に重点を置いた教育をしているようにも思います。
海外国籍の友人が言うには
「日本人は英語を話せないけど、日本人の書く英文は文法のこと考えながら書いたのがとても伝わってくる」
とのこと。
英文法くらいきちんと日本語も教えれば、不思議な日本語を書く大人は減るんでしょうね・・・
不思議な日本語を書く大人達
今の職場に入社する際上司にこんな事を言われました。
「ずみほさんは前に塾の先生をやってたんだって?
書類の添削とかも任せたいから宜しくね!」
え。
「ここは理系の多い職場だから不思議な日本語を書くおじさんも多いんだよ。大丈夫大丈夫、子供の読書感想文添削するのと同じ要領だと思うから!たぶん!」
最後に「たぶん!」とか小声で言わないで欲しかった。超不安材料。
そして私の元に回ってくる秘匿書類の数々。
書いたのは職歴30年越のベテラン理系おじさん。
「私なんかに添削が勤まるかなぁ」と不安になりながらも文章を読んでいくと
今回の事の顛末としては、業者に発注を掛けたのですが、2つの業者に断られてしまい、他の業者も探した結果、一社見つかりましたが、
見つけるまで2ヶ月もかかってしまったのですが、なんとか価格だけは安くしてもらおうと交渉した結果、さらにもう1ヶ月かかってしまったので
発注が遅れてしまった顛末です。
あ、これ不思議な日本語してる。
文章を書く際の具体的な注意点
上記の文を例に、文章を書く際に気を付けるべきポイントを見ていきます。
修正点としては、大きく3つあります。
1一文を短くする
2重複表現を使わない
3話し言葉を使わない
この3つに気を付けていけば大概の文章は読みやすくなります。
では、一つづつ見ていきましょう。
1一文を短くする
まずこの文章を見て思ったのが「息継ぎどこでするの!?」という位の一文への詰め込み具合。
歌の歌詞として読み上げようものなら窒息死してしまうレベル。ラッパーもびっくり。
この課題を解決するのに使えるのが
・文末に用いる句点(「。」←文末に付けるこの丸のことです)
・「しかし」や「よって」などの接続詞
この二つの合わせ技です。
今回の事の顛末としては、業者に発注を掛けたのですが、2つの業者に断られてしまい、他の業者も探した結果、一社見つかりましたが、
見つけるまで2ヶ月もかかってしまったのですが、なんとか価格だけは安くしてもらおうと交渉した結果、さらにもう1ヶ月かかってしまったので
発注が遅れてしまった顛末です。
この文章の特徴として、「。」が一つに対し、「、」が六つとかなり多用されています。
一文を区切る必要がありそうです。
また、区切る位置に関しては「は」「に」「の」などの助詞の数に着目します。
1文で連続使用して良い助詞の数は2つまでに抑えると読みやすい文になるので、区切る目安にします。
試しに「、」を使わなくて良さそうな部分を「。」に変えて文末を少しいじってみましょう。
今回の事の顛末としては、業者に発注を掛けました。結果、2つの業者に断られてしまいました。しかし、他の業者も探した結果、一社見つかりました。
見つけるまで2ヶ月もかかってしまったのですが、なんとか価格だけは安くしてもらおうと交渉しました。その為、さらにもう1ヶ月かかってしまいました。
以上が、発注が遅れてしまった顛末です。
少し違和感がありますが、大分読みやすい文になったと思います。
最初の文よりは窒息せずに読めるでしょう。
2 重複表現を使わない
重複(じゅうふく/ちょうふく)とは、複数の同じ物事が重なること、および、そのような状態のことです。
weblio辞書より引用
要は、一つの文の中で同じことを二度言う必要は無いということです。
今回の文では、文頭で「今回の事の顛末としては」と言っているのにも関わらず
文末にも「顛末です」と締め括られています。
これでは、顛末顛末言い過ぎてもはや「顛末」しか入ってこない状況です。
「顛末」でゲシュタルト崩壊する勢い。
この状況を改善するには、どちらかの「顛末」を無くす必要があります。
先程の一文を短くした状態から、さらに重複表現を無くしてみましょう。
今回の新規事業のため、業者に発注を掛けました。結果、2つの業者に断られてしまいました。しかし、他の業者も探した結果、一社見つかりました。
見つけるまで2ヶ月もかかってしまったのですが、なんとか価格だけは安くしてもらおうと交渉しました。その為、さらにもう1ヶ月かかってしまいました。
以上が、発注が遅れてしまった顛末です。
多少はゲシュタルト崩壊が収まった気がしませんか??
3 話し言葉を使わない
ここまで来たらあと一息です。
この文章を読んで最初に「どの年代の人が書いた文章かわからない」という感想を抱きました。
「顛末」など、大人向けな単語を使っているにも関わらず、
「安くしてもらおう」のように、話し言葉も併せて使われています。
そこで、「なんとか安くしてもらおうと交渉しました。」の部分を「現状を打開すべく、値下げ交渉を行いました。」に変えてみましょう。
今回の新規事業のため、業者に発注を掛けました。結果、2つの業者に断られてしまいました。しかし、他の業者も探した結果、一社見つかりました。
見つけるまで2ヶ月もかかってしまったのですが、現状を打開すべく値下げ交渉を行いました。その為、さらにもう1ヶ月かかってしまいました。
以上が、発注が遅れてしまった顛末です。
最初の文と比べたら、見違えるほど読みやすい文章になりました。
また、語彙に自信が無い方は、go○gleで「安くする 言い換え」などで検索してみましょう。
他の言い換え表現が幾つか出てくるはずです。
その都度調べることで、自身の語彙力を上げることもできます。
まとめ
読みやすい文章を書くためのポイント
1一文を短くする
2重複表現を使わない
3話し言葉を使わない
一度に全てのポイントを抑えることは難しいです。
出来るところから気を付けて、読みやすい文章を書けるよう一緒に頑張っていきましょう。
・・・私も精進します!